商品パッケージに印刷されているバーコードには、「JANコード」「EANコード」「UPCコード」といった名称があります。名前だけ聞くと別々のコードのように見えますが、実は共通のルールに基づいて作られており、世界の流通システムを支える重要な商品識別コードです。
JANコード・EANコード・UPCコードの違いと関係性、国際標準とのつながり、海外取引での利用方法について分かりやすく解説します。
JANコードは、「Japan Article Number」であり、日本で利用されている商品識別コードです。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売されている商品の多くに表示されており、POSレジによる商品管理や在庫管理に利用されています。
EANコードは、「European Article Number」であり、ヨーロッパで開発・普及した商品識別コードです。
現在ではヨーロッパだけでなく世界各国で利用されており、13桁の標準タイプと8桁の短縮タイプがあります。実は、日本のJANコードはEANコードの仕組みを採用しており、コード体系そのものは同一です。
UPCコードは、「Universal Product Code」で、米国とカナダで利用されている商品識別コードです。
UPCは1970年代初頭に北米で導入され、現在でも北米市場では広く利用されています。EANやJANが13桁であるのに対し、UPCは基本的に12桁で構成されています。
JAN、EAN、UPCは別々のコード規格ではなく、現在ではすべてGS1が定める商品識別コード体系の一部として管理されています。GS1は、世界の流通情報システムの標準化を推進する国際組織であり、バーコードやRFIDなどの共通ルールを策定しています。
現在はこれらを総称して「GTIN(Global Trade Item Number)」と呼びます。GTINは、商品を世界共通で識別するための番号体系であり、桁数によって以下のように分類されています。
・GTIN-13:JANコード、EANコード
・GTIN-12:UPCコード
・GTIN-8:短縮JANコード、短縮EANコード
・GTIN-14:集合包装用商品コード
つまり、
JANコード = 日本版のGTIN-13
EANコード = 欧州版のGTIN-13
UPCコード = GTIN-12
という関係になります。
結論からいうと、JANコードとEANコードのコード体系は同じです。
日本で発行されるJANコードは、先頭に「45」または「49」で始まるGS1プリフィックス(いわゆる国コード)が付与されています。そのため、日本で登録された商品であることが識別できます。
例えば、
・45xxxxxxxxxxx
・49xxxxxxxxxxx
で始まるコードは、日本のGS1事業者コードを利用して登録された商品です。
一方、ヨーロッパの事業者が発行したEANコードは、それぞれの国に割り当てられたGS1プリフィックスを先頭に持ちます。
つまり、JANコードは「日本のEANコード」と考えると最も分かりやすいでしょう。コードの構造やチェックデジットの計算方法、バーコードシンボルの仕様は基本的に同じです。
UPCコードとEANコード(JANコード)は、相互運用を前提として設計されています。
例えばUPCコードは12桁ですが、先頭に「0」を付加することで、EAN-13形式として扱うことができます。そのため、多くのPOSシステムやバーコードリーダーはUPCとEANの両方を読み取れるようになっています。
世界的な流通が進んだ現在では、UPC、EAN、JANの違いを利用者が意識する場面は少なく、実際には共通の商品識別基盤として運用されています。 日本のスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも、JANコードだけでなく、EANコードやUPCコードが表示された商品も店頭に並んでいます。
日本企業が商品を海外へ輸出する場合、多くの国では日本のJANコードをそのまま利用できます。JANコードはEAN体系と互換性を持っているため、新たに海外向けコードを取得しなくても販売できるケースが少なくありません。
例えばヨーロッパやアジアなど、GS1標準を採用している国や地域であれば、日本で取得したJANコードの商品をそのまま流通させることができます。
一方で、北米では歴史的な経緯からUPCコードを利用する企業が現在でも存在します。そのため、取引先によってはUPCコードの表示を求められる場合があります。米国やカナダへの輸出では、事前に取引先へ確認することが重要です。
バーコードの国際化により、多くのPOSレジやスキャナーは複数のコード体系に対応しています。一般的には次のように考えられます。
・日本のPOSレジではEANコードとUPCコードの両方を読み取れる
・EAN加盟国のPOSレジではJANコードとUPCコードを読み取れる
・一部の古い北米向けシステムではUPCを前提としている場合がある
ただし現在はPOS機器の国際対応が進んでおり、従来よりも互換性の問題は少なくなっています。
JANコード、EANコード、UPCコードは、それぞれ日本、ヨーロッパ、北米で生まれた商品識別コードですが、現在はGS1の国際標準であるGTIN体系の中で運用されています。
特にJANコードとEANコードはコード体系が完全に同じであり、日本のJANコードは「45または49で始まるGS1プリフィックスを持つEANコード」といえます。UPCコードも互換性を持つGTIN-12として運用されており、世界の流通システムの中で相互に利用されています。
日栄インテック株式会社
モビリティ事業部 ICTグループ
info@barcode.ne.jp
営業時間 9:00~12:00 13:00~18:00 土日祝 除く