Q. バーコードの印字品質について教えて下さい。

A.

バーコードシンボルの印字品質は、バーとスペースの反射率、ボイドとスポット、エレメントの寸法精度で決定されます。これらについてANSIが詳細に説明しているので紹介致します。

第1図:ANSIによりバーコード印字品質のグレード算出方法

第1図:ANSIによりバーコード印字品質のグレード算出方法

ANSIでは、第1図のように、バーコードシンボルをスキャンし、1. 最低反射率Rmin、2. シンボルコントラスト、3. 最少エッジコントラスト、4. モジュレーション、5. ディフェクト、6. デコーダビリティについてA~Fのグレード化(第1表)します。そして、これらのパラメータの中で最もグレードの低い値を総合的グレードの平均値をこのバーコードシンボルのグレードとするようにしています。次に各パラメータの算出方法について説明します。

1 :最低反射率 Rmin  シンボルの最少反射率Rminがシンボルの最大反射率Rmaxの50%以下であれば、Aランク、50%未満であればFランクとします。

2 :シンボルコントラストSC  バーコードシンボルをスキャンした時の最大、最少の反射率の差をシンボルコントラストといいます。この値は、第1表によりA~Fにグレード付けされます。 SC=Rmax-Rmim

3 :最少エッジコントラストECmin  エッジコントラストECとは、スペース部の反射率Rsとそれに隣合うバーの反射率Rbとの差異で、最少エッジコントラストは、この値の最小値です。この値は、第1表によりA~Fにグレード付けされます。
EC=Rs-Rb

第1表 反射パラメータのグレード
グレード Rmin SC ECmin MOD Defects
A
B
C
D
F
<=0.5*Rmax



>0.5*Rmax
>=70%
>=55%
>=40%
>=20%
<20%
>=15%



<15%
>=0.70
>=0.60
>=0.50
>=0.40
<0.40
<=0.15
<=0.20
<=0.25
<=0.30
>0.30
 
第2図:スキャンプロファ

第2図:スキャンプロファイル

4 :モジュレーションMOD
 モジュレーションMODとは、シンボルコントラストSCに対する最少エッジコントラストECminの比であり、その値は、第1表によりA~Fにグレード付けされます。
MOD=ECmin/SC
5 :ディフェクト
 ディフェクトとは、ボイドやスポットのことです。ディフェクトとはエレメント内反射率のばらつきERNmaxとシンボルコントラストSCの比で表わされます。その値は、第1表によりA~Fにグレード付けされます。
ディフェクト=ERNmax/SC
6 :デコーダビリティV
 バーコードシンボルのエレメンツが設計値より太ったり細ったりすることにより、太エレメントと細エレメントの比が十分とれず、読取率の低下をもたらします。この読取率のグレードを表わす方法としてデコーダビリティがあります。
 デコーダビリティは、各キャラクタ単位で計算し、また、2値レベルバーコードシンボルでは、細太エレメントでそれぞれ計算します(V1,V2)。そして、バーコードシンボル全体のデコーダビリティは、それぞれの計算結果の最小値とし、第2表よりグレード付けされます。

第2表 デコーダビリティのグレード
デコーダビリティの値 グレード
>=0.62
>=0.50
>=0.37
>=0.25
<0.25
A
B
C
D
F

次にCODE39・インターリーブド2of5らのデコーダビリティの計算式を示します。
V 1 =(RT-e)/(RT-z)
V 2 =(E-RT)(N×Z-RT)
V 1 ,V 2 =デコーダビリティ
e  =最大細エレメント幅
E  =最少太エレメント幅
RT =基準しきい値
   CODE39の場合、キャラクタ×1/8
インターリブド2of5の場合、キャラクタ幅×7/64

    Z=平均細エレメント幅(実測値)

        平均細バー幅+平均細スペース幅
      =―――――――――――――――
              2

    N=太細エレメント比

        平均太バー幅+平均太スペース幅
      =―――――――――――――――
             2Z

7 :バーコードシンボルの総合グレード  バーコードシンボルのグレードは、スキャナのアパーチュア径は、第3表のように指定されています。  測定された各パラメータのグレードは、A=4.0、B=3.0、C=2.0、D=1.0、F=0の数値に換算し、平均値が求められます。その値をふたたび第4表によってグレードに変換します。

第3表 測定用スキャナのアパーチュア径
細バー幅(X)   インチ(mm) アパーチュア径
 直径インチ(mm) ナンバー
0.004(0.102)<=X<0.007(0.178)
0.007(0.178)<=X<0.013(0.330)
0.013(0.330)<=X<0.025(0.635)
0.025(0.635)<=X
0.003(0.076)
0.005(0.127)
0.010(0.254)
0.020(0.508)
03
05
10
20
第4表 シンボルのグレード変換表
3.5  ≦  A  ≦  4.0 2.5  ≦  B  <  3.5 1.5  ≦  C  <  2.5 0.5  ≦  D  <  1.5        F  <  0.5
 
第3図:CODE39の各キャラクタあるいは

第3図:CODE39の各キャラクタあるいは
インターリーブ2オブ5の各キャラクタ(桁の組)について

日栄インテック株式会社 
ICTソリューション事業部

info@barcode.ne.jp

営業時間 9:00~12:00 13:00~18:00 土日祝 除く

toTop

NICHIEI INTEC

ADRESS

東京オフィス
〒110-0016
東京都台東区台東3-42-5
日栄インテック御徒町第1ビル 8F

TEL:03-5816-7141

FAX:03-5816-7140

名古屋サテライト
〒454-0027
愛知県名古屋市中川区広川町3-1-1

TEL:052-363-6191